旭化成(3407)の株価は今後どうなるか

成長は期待出来るけど、景気悪化の影響も出やすいので注意が必要だよ

株レンジャー
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  • 旭化成(3407)の株価予想
  • 旭化成(3407)株の買い時
  • 旭化成(3407)の株の分析
  • 同業種の銘柄と比較
  • まわりの予想
  • 総合評価
  • 買いを検討してる人へアドバイス

をまとめました。

 

旭化成(3407)の株価予想!今後どうなるか?

景気悪化の影響を受けて株価は下がる可能性が大きい

2008年のリーマンショック時に、景気悪化の影響を受けて2008年8月時点で500円台後半だった株価は、2009年3月に300円を切るところまで下落したことがありました。  

2019年12月には1234円だった株価は、コロナショックで2020年3月には764円まで下落しました。  

2021年4月現在では日経平均株価の上昇に引っ張られて株価は上昇しています。

しかし、コロナウイルスによる今後の景気悪化の影響を考えると、大きく下落する可能性を秘めています。  

 

旭化成(3407)株の買い時

株価が1000円付近であれば買い時

  2021年4月時点での過去10年間の株価の推移を見ると、2012年9月に403円の安値をつけましたが、2018年9月には1723円と高値になるなど乱高下が激しいのが実情です。  

しかし、乱高下した後は1000円台、高くても1200円辺りの株価に落ち着くことが多いです。

これらのことから、1000円付近の株価が妥当だと思われます。

 

旭化成(3407)の株の分析【2021年4月7日現在】

配当金はいくら?配当利回り

  • 利回りは平均的

株価指標 目安
配当金 34
配当利回り 2.70
配当性向 45.4

 3%を超えると高利回りと言われます。

市場の平均は2~3%と言われており、平均的な利回りと言えます。

しかし、旭化成のホームページにあるように、2011年から10期連続増配中です。

>>>旭化成配当  

減配の可能性も

  連続増配中ですが、

“当社は、成長投資と株主還元をバランス良く行うよう、適切な内部留保を保ちながら、安定配当と継続的な収益拡大による増配を目指すことを基本方針としています。”

とあります。

  2021年3月期決算では、売上高・営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する四半期純利益全てにおいて減益となってしまっているため、減益により配当性向が高くなってしまうと減配の可能性も出て来ます。

>>>旭化成決算

 

株主優待の内容

残念ながら株主優待はありません

保有株数 株式優待の内容
100株 なし
なし
なし

  業種が化学分野という点などから、自社製品を株主優待で…ということは難しいのかもしれません。  

株主優待を行わず、配当で株主還元を目指していると考えられます。  

 

株価指標

  • 指標では割高と優良が混在
株価指数 目安
PER 24.6
PBR 1.26
ROE 7.58
自己資本比率 48.6

 

PER、PBRはともに割高

  PERは目安とされている15倍をはるかに超える24.6、PBRも目安の1よりやや大きく1.26となっており、この2つだけを見ると割高と判断されます。  

 

ROEは低い

  7%を切ったら質の悪い銘柄と言われるROEでは7.58%とギリギリのラインです。  

 

自己資本比率は優良

  高いほどよく、まず目指すは40%と言われる自己資本比率は48.6%とまずまず良い数字が出ています。  

 

同業種の銘柄と比較

  • 成長指標は三井化学に軍配

 

PERは14.9倍と目安の15倍とほぼ同じなのに対し、PBRは1.28倍とやや高めです。  

ROEは7.03%、自己資本比率は35.6%と自己資本比率は旭化成のほうが良いですが、ほぼ同じような指標の傾向になっています。

しかし、経常増益率を見てみると、旭化成は-7.5%なのに対し、三井化学は3.7%のプラスです。

経常増益率は今後の成長性を判断する指標になりますので、2021年4月現在の段階では、旭化成よりも三井化学の方がより成長が見込めるということです。

 

  • 住友化学は指標全体が低め

  PERは48.2倍と旭化成以上に割高感が出ていますが、PBRは1.05倍と妥当な数字です。

しかし、ROEは3.22%、自己資本比率も25.3%とこちらはかなり低い数字が出ています

また、経常増益率も-24.4%とかなり厳しめの数字となっています。

 

旭化成(3407)株のまわりの予想

買い予想の声

  • 更なる株価上昇を期待

 

 

 短期ではなく長期で見た場合、これからも株価上昇に期待が持てると踏んで買いを入れたり、今後の収益拡大を見込む人もいます。  

 

売り予想の声

  • 欲を出さずに利益確定

株価上昇時によくある「もっと上がるかもしれない…」という欲に負けず、何%上昇すれば売るという自分で決めたルールに従い利益を確定したり、チャートからこれ以上の上昇は見込めないのでは?と判断した人もいます。

 

旭化成(3407)の総合評価

  • 可もなく不可もなく

  通信簿
業績
配当金目当て
優待目当て ×
割安
同業種との比較
将来性

 

業績について

 

年間での業績は良くない

  2020年10月に発生した宮崎県にある半導体工場火災により、116億円の経常損失を計上しました。  

その結果、グループ全体の最終的な業績予想は減少減益となっています。  

 

2020年第3Qの決算は好調

  2020年10月から12月にかけての3ヶ月の決算内容は、売上高が5.3%、営業利益も36.8%、最終利益も27.8%といずれも増収増益になっています。  

工場火災による半導体も代替生産を見込むなど好材料が少し出て来ています。  

これらの結果を受けて、年間の減収減益幅はやや小さくなっています。  

 

ルネサスの火災がどう影響するか

  工場火災による代替生産を依頼していたルネサスまでもが工場火災を起こしてしまったため、株価上昇を抑える悪材料の一つとなってしまいました。  

しかし、ルネサスの火災は旭化成よりは焼失被害が小さく、3~4カ月程度で火災前の生産能力への復旧を目指していることから、今後の復旧の進捗状況が業績に影響を与えそうです。  

 

配当金目当ての投資

 

配当利回りは少し高め

  業績悪化などの悪材料はありましたが、配当金は34円を維持することを発表し、配当利回りは2.54%と高利回りとは言えないまでもやや高めの数字となっています。  

減配の可能性も捨てきれない

「配当性向3割を目安にし、継続的な増配を目指す」としており、現在の配当性向は66%とかなり高くなっているため、利益が戻らなければ減配する可能性も秘めています。  

 

優待目当ての投資

株主優待はないため不向き

株主優待は行っていないため、優待目当てで投資されている方には向きません。  

 

割安かどうか

1300円の壁を越えていれば割高

 2021年4月時点で株価の乱高下が激しく、1100円~1400円の間を行き来しています。  

しかし、2011年から2021年の10年間のチャートを見てみると、1300円を超えると株価はその後下落し、1000円~1100円付近に落ち着く傾向が見られます。  

よって1300円を超えていれば割高、超えていなければ割安と判断出来ます。  

 

同業種との比較

  • 配当利回りや業績傾向はほぼ同じ

三井化学の配当利回りは2.84%、住友化学の配当利回りは2.11%ですが3年連続減配中です。  

業績では、旭化成、三井化学とも全て上方修正をしていますが、住友化学だけは当期利益を下方修正しています。  

 

将来性はあるか

  • 需要はある

地球温暖化対策として開発が進められている電気自動車などには、半導体が必要不可欠なため、需要は今後も見込まれます

 

  • 事業内容がリスク分散

サランラップや不織布などの開発を行っているマテリアル事業、ヘーベルハウスに代表される住宅事業、高齢化社会を支えるヘルスケア事業と異なる分野への事業を展開していることから、リスク分散になっており、将来の高齢化社会を見据えた対策もしていると言えます。

 

買いを検討してる人へアドバイス

自分の余剰資金に応じて銘柄選択を

どの銘柄も配当利回りは2%台とほぼ横並びです。  

多少の余剰資金があり、ある程度の配当を得たいのであれば旭化成は適した銘柄と言えます。  

逆にそれほど資金はないけれど、配当は欲しいのであれば住友化学、配当を感覚的に多くもらいたいのであれば三井化学など、自分の余剰資金と相談して投資するといいです。

 

まとめ

  • 旭化成(3407)の株価予想としては、景気の影響をダイレクトに受けるため、景気が悪化すれば株価は下落する  
  • 1000円付近の株価が妥当であり、1000円を切れば買ってよし  
  • 株主優待はなく、配当利回りも高利回りとは言い切れないが低くもない  
  • 余剰資金で投資先を選ぼう