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日本水産株式会社(1332)の株価は今後どうなるの?

健康志向の新商品やネットショップでの販路拡大が見え始めたら買い時だよ!

株レンジャー
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  • 日本水産株式会社(1332)の株価予想
  • 日本水産株式会社(1332)株の買い時
  • 日本水産株式会社(1332)の株の分析
  • 同業種の銘柄と比較
  • まわりの予想
  • 総合評価
  • 買いを検討してる人へアドバイス

をまとめました。  

 

日本水産株式会社(1332)の株価予想!今後どうなるか?

日本水産株式会社(1332)株価予想!今後どうなる?

業績と共に株価も下落傾向。事業の形を模索しなければ業績が上がらず、株価回復も厳しい

日本水産株式会社(1332)株価チャート

日本水産株式会社(1332)の株価チャートは、以下のように推移しています。

  • 2019年3月28日863円(最高値)※その後、下落して横ばい気味。
  • 2020年3月13日398円(最安値)※コロナショックで大きく下落。
  • 2021年6月9日574円(直近の高値)※コロナショック前まで回復してない。

直近では一旦回復しているものの、コロナ前の水準まで戻っていません。コロナショック時から下落トレンドが続いています。

原因は業績悪化ですが、業績悪化の理由はコロナの影響と、発展が望めない事業をしているからです。株価が復活するには、事業の体質を変えていくことが必要です。

では、どんな事業を行っているのか、詳しく見ていきましょう。

 

4つある事業のうち、3つが減収

日本水産株式会社(1332)セグメント別概況

日本水産株式会社(1332)の事業は以下の4つです。

  • 水産事業
  • 食品事業
  • ファインケミカル事業
  • 物流事業

最も売上が大きいのは、水産事業(漁業・養殖・加工商事等)ですが、2021年3月期の売上はコロナの影響で

2020年3月期約2,895億円

2021年3月期約2,621億円(前期比▲9.5%減)

と、かなり落ち込んでいて、営業利益は約半分(前期比▲49.5%)です。他にも食品事業、ファインケミカル事業が減収して、4つある事業のうち、3つが減収しています

これほど落ち込むと株価にも影響していきますので、コロナが落ち着くか、新たな収入源を見つけるなどしないと、今後もすぐに株価上昇というわけにはいかなさそうです。

>>>日本水産株式会社(1332):2021年3月期決算説明会

 

コロナの影響で水産事業は大打撃

日本水産株式会社(1332)水産事業売上 日本水産株式会社(1332)南米売上

水産事業は、漁業・養殖・加工商事の3つの収入がありますが、全て減収減益しています。

理由は、コロナの影響で魚介類の価格が低迷しているからです。

特に、南米のサケマス養殖事業は、価格が低迷した上に、需要減のため減産していて、

2020年3月期7,207億円

2021年3月期1,956億円(前期比▲72.9%減)

と、大きく落ち込んでいます。

また、2016年3月期には赤字に転じているなど、収入が不安定な事業だということもわかります。

>>>日本水産株式会社(1332):2021年3月期決算説明会

 

食品ロスの問題、コンビニの時短営業も減収の原因

日本水産株式会社(1332)チルド事業縮小 日本水産株式会社(1332)食品事業売上

最近、社会問題となっている食品ロスの問題や、コンビニの時短営業は、チルド食品の需要にも影響があります。

チルド事業の営業利益は、

2020年3月期19億円

2021年3月期8億円(前期比▲57.8%減)

約半分になっています。

社会問題でもあり、日本水産株式会社(1332)は、チルド事業は今後発展が望めないので、売上を上げられなくなる可能性があります。

>>>農林水産省:食品ロスとは

 

日本水産株式会社(1332)株の買い時

日本水産株式会社(1332)株の買い時

伸びしろのある事業への体質改善が見え始めたら買い時

日本水産株式会社(1332)今後の見通し

日本水産株式会社(1332)は、2022年3月期中は、体質強化期間だと位置づけています。

体質強化期間で、以下のことを進めていこうと考えています。

  • チルド事業の人員と生産量を減らす
  • 浮いた人員を健康志向食品の商品開発、ネットショップの運営に回す

体質強化の効果が見え始めて、四半期決算やニュースなどで、健康志向の新商品販売や、ネットショップでの売上増加など、プラス材料が出始めたら買い時です。

 

2022年3月期での事業回復は厳しいと判断

日本水産株式会社(1332)来期計画

日本水産株式会社は、2022年3月期での事業回復は、厳しいとみています。

大きな理由は、以下の2つです。

  • 魚介類の価格低迷と需要減(まだコロナ収束が見込めない)
  • チルド事業のシェア衰退

2022年3月期で事業回復が見込めない以上、弱点を強化して、今後の改善につなげようと考えています。

 

チルド事業の縮小と健康志向食品の販売強化

日本水産株式会社(1332)チルド事業縮小2 日本水産株式会社(1332)健康食品今後の計画

日本水産株式会社(1332)は、2022年3月期の体質強化として、以下のような取り組みをしています。

  • チルド商品の生産量の減少と人員削減
  • 健康志向食品の販売強化

健康志向食品と、簡単調理商品のニーズが高まっているので、そちらに生産量をシフトしていく計画です。

代替肉の商品開発にも参入する予定なので、売れ行き次第では、プラス材料となります。

>>>日本水産株式会社(1332):2021年3月期決算短信

 

コロナ禍でのネットショップ拡大

日本水産株式会社(1332)ネットショップ強化

日本水産株式会社(1332)は、チルド事業でへらした人手を、ネットショップの拡大にも使う計画です。

すでに楽天やPAYPAYモールに出店しており、自社のECサイトも持っていますが、健康志向食品を楽天やPAYPAYモールでも売り出す計画を立てています。

コロナ禍なのを逆手にとり、ネットショップ販売を強化できれば、食品事業の売上拡大につながるかもしれません。

 

日本水産株式会社(1332)の株の分析【2021年6月28日現在】

配当金はいくら?配当利回り

日本水産株式会社(1332)配当金はいくら?

配当利回りは普通だが、年2回配当

株価指標 目安
配当金 9.5円(2022年3月期予想)
配当利回り 1.8%
配当性向 20.5%(2021年3月期実績)

日本水産株式会社(1332)配当金

 

年2回配当があり、配当性向も下がっていない。

日本水産株式会社(1332)は、年2回配当があり、投資家にとっては魅力的な銘柄です。

また、配当金だけでなく配当性向も下げていないので、投資家を大事にしていることがわかります。

>>>日本水産株式会社(1332):分割・株式配当の推移

 

自己資本が2,000億円を超えたら配当性向30%にする

日本水産株式会社(1332)は、2021年3月期決算説明会のQ&Aで、いつになるかわからないが、自己資本が2,000億円を超えたら、配当性向は30%にしたいと言っています。

2021年3月期決算では、自己資本1,695億円なので、まだ先のことになりそうです。

自己資本2,000億円を超える前に購入しておけば、配当金が増えて人気も出た頃に、株価も上がるかもしれません。

>>>日本水産株式会社(1332):2021年3月期 決算説明会Q&A要旨

 

株主優待の内容

  • 株主優待は自社商品3,000~5,000円分
保有株数 株主優待の内容
500~1,000株未満 3,000円相当の当社商品
1,000株以上 5,000円相当の当社商品

日本水産株式会社(1332)株主優待 日本水産株式会社(1332)株主優待2

 

株主優待は、500株以上保有が最低条件

日本水産株式会社(1332)の株主優待は、500株以上保有が最低条件です。

2021年6月28日時点の株価は、536円なので、500株購入すると約27万円になります。

27万円投資して3,000円の株主優待なので、それほど魅力はなさそうです。

 

株価指標

  • PBR、PERは普通
株価指数 目安
PER 11.1倍
PBR 1倍
ROE 8.5%
自己資本比率 35.7%
  • PER、PBRは普通なので、業績が反映されている。

日本水産株式会社(1332)は、PER、PBR共にほぼ基準値なので、割安でも割高でもなく、妥当な水準です。

妥当な水準なので、業績が反映されやすい銘柄であるといえます。

今後、四半期決算で業績の回復が見え始めたら、買いやすい銘柄です。

 

同業種の銘柄と比較

日本水産株式会社(1332)同業種の銘柄と比較

  • 安定経営で買いやすいのは日本水産株式会社(1332)だが、配当利回りが良いのは株式会社極洋(1301)

日本水産株式会社(1332)極洋の利益推移

以下、業界3位の株式会社極洋との比較です。

それぞれ一長一短あり、株価が安くて買いやすいのは日本水産株式会社(1332)ですが、配当利回りが良いのは株式会社極洋(1301)ですね。

投資資金と相談して、購入を検討してみましょう。

株価指数 日本水産株式会社(1332) 株式会社極洋(1301)
株価(2021年6月28日時点) 536円 2,918円
PER 11.17倍 9.1倍
PBR 1倍 0.8倍
ROE 8.5% 9.5%
自己資本比率 35.7% 34.7%
総資産 約475,415百万円 約116,331百万円
配当利回り 1.8% 2.7%
配当性向 20.5% 22.4%

 

  • サケマス事業の継続が他社との分かれ目

日本水産株式会社(1332)サケマス事業は継続

日本水産株式会社(1332)は、南米サケマス事業で

2020年3月期7,207億円

2021年3月期1,956億円(前期比▲72.9%減)

と、かなり売上が減っています。

2022年3月期は、南米サケマス事業の収入安定化を目指すとしていますが、コロナ禍でいつ需要回復するかわからないので、しばらく安定化は難しそうです。

同様に、業界1位のマルハニチロ株式会社(1333)もサケマス事業を行っていましたが、収益が見込めないとの理由で、2021年3月期で事業譲渡しています。

この選択が2社の分かれ道になりそうです。

>>>日本経済新聞:マルハニチロ、米サケマス事業から撤退

 

日本水産株式会社(1332)株のまわりの予想

買い予想の声

日本水産株式会社(1332)周りの予想

安めの株価で個人投資家におすすめしている人の声

株価が安いので個人投資家におすすめしている人もいます。

年2回の配当も個人投資家にとっては魅力的なので、個人投資家向けの銘柄ですね。

 

配当金が忘れた頃に届いて喜ぶ人の声

日本水産株式会社(1332)の株の配当金が、忘れた頃に届いて喜んでいる人もいます。

配当金目当てであれば買い足したくなりますし、個人投資家に魅力的な銘柄なので、ツイッターにもトレンドが表れていますね。

 

売り予想の声

塩漬けになっていて、困っている人の声

 

 

高値掴みしてしまい、塩漬けで優待をもらっている人もいます。塩漬けにしている人は株価が上昇して損失がなくなったら売ってしまう可能性があります。

過去に高値で出来高が多い価格帯は、上昇の足かせになりやすいです。

 

売却益を狙って売買している人の声

日本水産株式会社(1332)は配当利回りも普通程度なので、売却益を狙って売買している人もいます。

色んな人の思惑があって、株価は上げ下げします。

 

日本水産株式会社(1332)の総合評価

日本水産株式会社(1332)総合評価

  • 業績は振るわないが、体質強化の効果が表れ始めたら買い時
  通信簿
業績
配当金目当て
優待目当て
割安
同業種との比較
将来性

業績について

2019年3月期をピークに売上は下がり続けている

日本水産株式会社(1332)売上推移

日本水産株式会社(1332)は、2019年3月期をピークに売上は減少し続けています。

コロナの影響による魚介類の価格低迷と、チルド商品の需要減が主な原因ですが、2022年3月期も、今のところ売上回復は見込めないとしています。

 

配当金目当ての投資

配当金利回りは普通だが、年2回配当

日本水産株式会社(1332)は配当利回りは普通ですが、年2回配当があるので、個人投資家に好かれます。

株価も2021年6月28日時点で536円と、それほど高くなく買いやすい銘柄です。

 

優待目当ての投資

  • 株主優待は、500株保有しなければもらえない。

日本水産株式会社(1332)の株主優待は、500株~1,000株未満保有している株主に3,000円分の当社商品としています。

また、1,000株以上保有していれば5,000円分の当社商品で、それ以上買っても優待は増えません。

 

割安かどうか

  • PER、PBR共に普通。業績がしっかり反映されている。

PER、PBR共に割高でもなく、割安でもありませんが、企業の業績や資産価値が、株価にしっかり反映されているといえます。

業績を見て判断しやすい銘柄ですね。

 

同業種との比較

  • 同業種でも配当利回りや株価は一長一短。経営の選択も判断基準となる

同業種では、業界3位の株式会社極洋と比較すると、銘柄の特徴がわかります。

日本水産株式会社(1332)は、株価が安く、買いやすい。

株式会社極洋(1301)は株価が高いが、配当利回りが良い。

また、サケマス事業から撤退した業界1位のマルハニチロ株式会社(1333)と、撤退せずに安定収入を目指すこととした日本水産株式会社(1332)の、経営判断も後々に影響が出そうです。

以下、株価と配当利回りの比較です。

株価指数 日本水産株式会社(1332) 株式会社極洋(1301)
株価(2021年6月28日時点) 536円 2,918円
配当利回り 1.8% 2.7%

 

将来性はあるか

変化に強い企業なので、将来性もある

将来性は大いにあります。

理由は、日本水産株式会社(1332)は、自社の強みと弱みを把握し、変化していける企業だからです。

例えば、ネットショップの拡大や、健康志向食品の販売強化、チルド事業縮小など、社会情勢に合わせて販売する商品や手法を変えていることがわかります。変化に強い企業が生き残っていきます。

 

買いを検討してる人へアドバイス

日本水産株式会社(1332)買いを検討している人へ

四半期決算で、ネットショップ、健康志向食品の売上が好調なら、買っていこう

日本水産株式会社(1332)は、2022年3月期を体質強化の年としています。

2022年3月期中でも、健康志向食品の新商品を打ち出すなど、新たな動きが出てきたら、評判を確かめてみましょう。

日本水産株式会社(1332)の評判が良く、売り上げも好調なら、買われ始めます。

 

まとめ

  • 日本水産株式会社(1332)の株価予想は、コロナと食品ロス、コンビニの時短営業で今は厳しい
  • 日本水産株式会社(1332)株の買い時は、ネットショップ、健康志向食品の売上が上がった時
  • 日本水産株式会社(1332)の株の分析は、業績が株価に反映されやすい企業、年2回配当で人気
  • 同業種の銘柄と比べて安定経営をしていて、株価も買いやすい価格
  • まわりの予想は、配当狙いの投資家が買い足して株価上昇する余地あり。年2回の配当が魅力
  • 総合評価は、全体的に高評価ではあるが、社会情勢が悪く業績がふるわない。体質強化に期待
  • 買いを検討している人へのアドバイスは、四半期決算でネットショップと健康志向食品の売上好調なら買おう