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マルハニチロ株式会社(1333)の株価は今後どうなるの?

業務用食材の需要増加が見え始めたら買いだよ!

株レンジャー
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  • マルハニチロ株式会社(1333)の株価予想
  • マルハニチロ株式会社(1333)株の買い時
  • マルハニチロ株式会社(1333)の株の分析
  • 同業種の銘柄と比較
  • まわりの予想
  • 総合評価
  • 買いを検討してる人へアドバイス

をまとめました。

 

マルハニチロ株式会社(1333)の株価予想!今後どうなるか?

マルハニチロ株式会社(1333)株価予想!今後どうなる?

マルハニチロ株式会社(1333)は2019年3月期から年々利益減少している

マルハニチロ株式会社(1333)は、

  • 漁業
  • 養殖
  • 加工
  • 卸売り

など様々な事業を行っている水産業の会社です。当期純利益は年々減少傾向で、2021年3月期は約58億円で、前期比約▲67億円減になっています。

2021年3月期の利益減少の大きな原因は、

  1. 漁業・養殖事業
  2. 卸売事業
  3. サケ・マスの加工販売事業

の3つです。

以下、3つの事業の営業利益の表です。

事業名 2020年3月期 2021年3月期
漁業養殖事業 ▲2.8億円 ▲31.9億円(前期比▲29.1億円減)
卸売事業 ▲0.3億円 ▲2.4億円(前期比▲2.1億円減)
サケ・マス事業 ▲3.1億円 ▲5.1億円(前期比▲2億円減)

マルハニチロ株式会社(1333)利益推移 マルハニチロ株式会社(1333)漁業養殖事業 マルハニチロ株式会社(1333)卸売事業 マルハニチロ株式会社(1333)サケ・マス事業

 

漁業、養殖事業の利益減少の原因は4つある

漁業・養殖事業の利益減少の原因は以下の4つです。

  • コロナの影響で漁船を停泊させていた海外都市がロックダウンし、出漁できなくなった
  • 飲食店の休業・時短営業などで業務用食材の需要が減少し、養殖魚の相場が下落した
  • 完全養殖しているマグロの養殖コストが大きい
  • カツオの漁獲量が減少したため、不採算漁船が多く出て、経費倒れになった

水産業もコロナの影響を受けてかなり大打撃になっています。業績が好転するまでは慎重に投資を行った方がよさそうです。

また、日本のカツオ漁獲量は年々減少傾向となっていますが、一部の地域では去年の漁獲量を上回っていて、今年は少し期待できるかもしれません。

マルハニチロ株式会社(1333)事業別利益推移 日本のカツオ漁獲量推移

>>>東京新聞:カツオ大漁 沸く勝浦 初水揚げ、昨年上回る12.5トン

 

卸売事業は、コロナの影響で外食・業務用食材の需要が減っていて、厳しい

卸売事業の状況は、

2020年3月期で営業利益▲0.3億円の赤字

2021年3月期は▲2.4億円の赤字(前期比▲2.1億円減)

となっています。

理由は、コロナの影響で外食を控えたり、お店が休業しているせいで業務用食材の需要が激減しているからです。特にお店で扱うことの多い高級魚は、影響が大きいです。

マルハニチロ株式会社(1333)卸売事業

 

サケ・マス事業は、不採算事業として譲渡、赤字要因を削減している

米アラスカ州で行っていたサケ・マスの加工販売事業は、以下のように赤字が続いています。

サケ・マス事業は、

  • 新規参入者が多くなり不漁となっている
  • 魚価の高騰による高コスト

などで、収支改善が見込めないと判断しています。

サケ・マス事業を、40億円で売却するという契約を、2020年10月31日に結んでいるので、2022年3月期以降の赤字要因が減ることになります。

海外セグメント 営業利益
2019年3月期 31.9億円(前期比▲5.4億円減)
2020年3月期 ▲3.1億円(前期比▲35億円減)
2021年3月期 ▲5.1億円(前期比▲2億円減)

マルハニチロ株式会社(1333)サケ・マス事業2019年3月期 マルハニチロ株式会社(1333)サケ・マス事業2020年3月期 マルハニチロ株式会社(1333)サケ・マス事業2021年3月期

>>>子会社における事業譲渡に関するお知らせ

 

マルハニチロ株式会社(1333)株の買い時

マルハニチロ株式会社(1333)株の買い時

業務用食材の需要回復が、四半期決算に見え始めたら買い

マルハニチロ株式会社(1333)株の買い時は、四半期決算の業績に業務用食材の需要回復が見え始めた頃です。

マルハニチロ株式会社(1333)は、2022年3月期の業績予想で、コロナの巣ごもり需要が落ち着き、飲食店の時短営業などで落ち込んだ、業務用食材の需要が回復すると見込んでいます。

業務用食材の需要回復を見越して、売上高の計画を1,190億円(前期比81億円増)としています。

すでに達成に向けて動いており、加工食品の製造ラインを強化すべく、ベトナムの委託先業者を子会社化しています。

行動力のある企業ですが、予測を誤ってしまうと損失が出てしまうため判断が難しいところです。飲食店の時短営業等が落ち着かないと、業務用食材の需要回復も見込めないでしょう。

マルハニチロ株式会社(1333)来期計画

>>>Sai Gon Food Joint Stock Company の株式の取得(子会社化)に関するお知らせ

 

マグロの完全養殖に成功しているので、今後のシェア獲得に大きな期待が持てる

マルハニチロ株式会社(1333)は民間で初めてマグロの完全養殖に成功していて、今後のマグロのシェアを大きく獲得できる可能性が大きいです。

理由は、完全養殖によって、マグロの誕生から成魚となり、出荷するまでをすべて人工飼育で行えるので、天然のマグロが減っても関係なく、完全養殖のマグロを販売できるからです。

ただ、完全養殖のデメリットとして、コストが掛かること、養殖より天然が好まれることがあります。 低コストに抑える技術を研究中なので、まだ時間がかかりますが、今後に大きな期待が持てます。

>>>マルハニチロ株式会社:クロマグロ完全養殖プロジェクト

 

マルハニチロ株式会社(1333)の株の分析【2021年6月17日現在】

配当金はいくら?配当利回り

マルハニチロ株式会社(1333)配当金はいくら?配当利回り

  • 配当金は40円、配当利回りは普通
株価指標 目安
配当金 40円
配当利回り 1.7%
配当性向 36.4%(2021年3月期実績)

マルハニチロ株式会社(1333)配当金推移

  • 配当金は2014年から下がっておらず、配当利回りは普通

マルハニチロ株式会社(1333)は、2014年から配当金を下げずに配当を続けています。配当利回りは1.7%と平均程度の利回りとなっているため、配当目的の投資としてはそれほど魅力はありません。

>>>日本経済新聞:国内の株式指標

 

株主優待の内容

マルハニチロ商品5種から選べるので、毎年楽しめる

コース種類 株主優待の内容
水産缶詰詰合せ(6缶) まるずわいほぐしみ1缶、ほたて貝柱水煮2缶、まぐろ油漬フレーク3缶
瓶詰詰合せ 鰹昆布2瓶、鮭ほぐし2瓶、牛そぼろ2瓶、鶏そぼろ2瓶
海苔詰合せ 手巻海苔(2切10枚)×4袋、焼き海苔(全形10枚)×2袋、磯辺の響(味のり) 6袋詰(8切8枚)×1箱
DHA入り リサーラソーセージ 150g(50g×3本)×10袋
ラ・カンティーヌ詰合せ 鯖フィレエクストラバージンオイル漬(100g)×4缶、バーニャカウダソース(50g)×1瓶、バジルソース(50g)×1瓶、トマトソース(50g)×1瓶

株主優待はラ・カンティーヌ詰合せが人気

マルハニチロ株式会社(1333)の株主優待は、5種類あるので色々選べて楽しめそうです。特に人気があるのは、ラ・カンティーヌ詰合わせですね。

株主優待目当てで、クロス取引(現物買いと合わせて、同じ株数の信用売りをしてプラマイゼロを狙う)をして、ほとんどお金をかけずに優待を手に入れる人もいます。

また、株主優待の権利は100株保有からなので、注意しておきましょう。

マルハニチロ株式会社(1333)株主優待

>>>マルハニチロ株式会社(1333):株主優待のご案内

>>>ペンギンの株主優待ブログ

>>>ガガガガガガ.com

 

株価指標

PER、PBRともに割安になっている

株価指数 目安
PER 9.1倍
PBR 0.90倍
ROE 4.2%
自己資本比率 26.8%

水産業の目安から見ても、PER、PBRともに割安

水産業のPERの目安は14倍、PBRの目安は1.3倍なので、マルハニチロ株式会社(1333)は、ともに割安です。

割安とはいえ、株価は2021年6月17日時点で、2,419円と高めです。

株主優待を狙うのであれば、100株以上保有が条件ですので、頑張って資金をためておきましょう。

 

ROEは2020年3月期9.5%なので▲5.3%減少

ROEは純資産をどれだけ効率的に回して利益を得たか?の指標です。

漁業、養殖、卸売市場等の影響で、2021年3月期当期純利益は58億円(前期比▲67億円減)と半分以下になっているので、ROEは2020年3月期は9.5%、2021年3月期は4.2%(前期比▲5.3%減)とかなり下がっています。

ROEだけ見ると厳しい数字ですが、サケ・マス事業の譲渡など、赤字の原因を今必死で排除しているところです。

業界トップの企業ですから、今後に期待したいですね。

マルハニチロ株式会社(1333)当期純利益推移

 

同業種の銘柄と比較

マルハニチロ株式会社(1333)同業種の銘柄と比較

 

現時点では業界2位の日本水産株式会社(1332)が優勢

マルハニチロ株式会社(1333)は、水産業界トップの企業ですが、2021年3月期の経営状況を業界2位の日本水産株式会社(1332)と比較すると、現時点では日本水産株式会社(1332)の方が優勢です。

ROE、自己資本比率を見ても日本水産株式会社(1332)の方が効率的で健全な経営を行っていることがわかります。

PER、PBRで比較すると、日本水産株式会社(1332)の方が少し割高ですが、株価で比較すると日本水産株式会社(1332)の方が安くて買いやすいですね。

マルハニチロ株式会社(1333)が、2022年3月期決算でどれくらい増益できるかがカギになりそうです。

各種指標 マルハニチロ株式会社(1333) 日本水産株式会社(1332)
ROE 4.2% 8.5%
自己資本比率 26.8% 35.7%
PER 9.1倍 11.1倍
PBR 0.9倍 1倍
株価(2021年6月17日時点) 2,419円 543円

>>>マルハニチロ株式会社(1333):決算短信

>>>日本水産(1332):決算短信・決算説明会資料

 

マルハニチロ株式会社(1333)株のまわりの予想

買い予想の声

マルハニチロ株式会社(1333)まわりの予想

優待を狙って買っている人の声

マルハニチロ株式会社(1333)は優待が人気です。

優待を待って長期保有している人や、権利落ち日(優待や配当金を受け取る権利が確定する日)に向けて買われる可能性が高いので、銘柄の特性は押さえておきましょう。

 

マルハニチロ株式会社(1333)の商品を買ってみて、銘柄に興味がわいた人の声

良い商品を買ったのがきっかけで、商品から銘柄に興味を持つ人もいらっしゃいます。

興味を持った人に買ってもらえるように、株主優待にも人気商品が出てくる可能性はありますね。

 

売り予想の声

愛着がわかないので売りだと考える人の声

マルハニチロ株式会社(1333)に愛着がない人であれば、業績が良くない状況なので、売りたくなるのもわかります。

株価が上がらなければ、売られてさらに下落する可能性もありますね。

 

  • 含み損を抱えたまま、優待を受け取る人の声

高値で買ってしまい、含み損で塩漬けにしている人もいらっしゃいます。

今後下落してしまうと、耐え切れずに売ってしまう人も出てくる可能性があります。

 

マルハニチロ株式会社(1333)の総合評価

マルハニチロ株式会社(1333)総合評価

  • 2021年3月期は業績悪化で厳しい状況。2022年3月期の四半期決算で業務用食材の需要回復が見え始めたら買ってみよう
  通信簿
業績 ×
配当金目当て
優待目当て
割安
同業種との比較
将来性

業績について

2021年3月期はかなり厳しい業績だが、2022年3月期には回復が見え始める

2021年3月期の当期純利益は58億円(前期比▲67億円減)でかなり厳しい状況ですが、2022年3月期には少し回復が見え始めます。

理由は、事業譲渡などの対策をして、すでに動いているからです。事業譲渡は即効性があるので、ある程度回復することは間違いないでしょう。

マルハニチロ株式会社(1333)当期純利益推移

 

配当金目当ての投資

  • 配当金はそれほど高くないので、配当目当ての人には物足りない

マルハニチロ株式会社(1333)は、配当利回りは1.7%と普通なので、配当金狙いであれば、もっとほかの銘柄を探したほうがいいでしょう。

 

優待目当ての投資

株主優待が人気なので、株主優待で楽しみたい人にはおすすめ

株主優待が人気の銘柄です。5種類から選べるので、毎年どれにしようか選ぶ楽しみもあります。

割安を狙って買えば、含み損にもならずに楽しめますね。

 

割安かどうか

  • PBR、PERともに割安だが、株価も高いので、資金をためてから購入しよう

マルハニチロ株式会社(1333)は、PBR、PERは確かに割安ですが、2,419円(2021年6月17日)の株価なので、100株買うだけでも24万以上はかかります。

株主優待を狙っている場合は、100株保有が条件なので、頑張って資金をためて買いましょう。

 

同業種との比較

2021年3月期の業績は、業界2位の日本水産株式会社(1332)が優勢

マルハニチロ株式会社(1333)は2021年3月期は、業績、ROE、割安感すべて業界2位の日本水産株式会社(1332)に負けています。

打開策を打ち出していますが、現時点ではまだ追い越せるかわかりません。

今後の業績を見ながら買い時を探っていきましょう。

 

将来性はあるか

マグロの完全養殖など、先を見据えた経営をしている

マルハニチロ株式会社(1333)は、今は苦しい状況ですが、マグロの完全養殖や製造ライン強化など、将来を見据えた活動を始めています。

今後活きてくる可能性は大いにあり、今が株価の底となる可能性も大いにあります。

 

買いを検討してる人へアドバイス

マルハニチロ株式会社(1333)買いを検討している人へアドバイス

業務用食材の需要回復を見越した経営をしているので、四半期決算に現れたら買っていこう

マルハニチロ株式会社(1333)は、すでに先を見越して、製造ライン強化に動いています。

当たれば大きいですが、業務用食材の需要回復が遅れれば、回復を待つ間、さらに苦しい時期を強いられることになりそうです。

今後の四半期決算で業務用食材の需要回復を要因に利益が上がれば、買っていけるチャンスです。

 

まとめ

  • マルハニチロ株式会社(1333)の株価予想は、業績は悪いが、打開策は打たれている
  • マルハニチロ株式会社(1333)株の買い時は、業務用食材の需要回復が要因で利益が上がった時
  • マルハニチロ株式会社(1333)の株の分析は、株主優待が人気の銘柄。株価は高いので資金をためよう
  • 同業種の銘柄に業績でも経営状況でも負けている。今が苦しい時期である。
  • 株主優待が人気の銘柄だが、含み損を抱えている人もいる!割安な頃合いを見計らおう。
  • 業績は悪いが将来性はある銘柄。今後に期待しながら買い時を探ろう。
  • 業務用食材の需要回復を要因に利益が上がれば買っていこう