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ANAホールディングス(9202)の株価は今後どうなるの?

やっぱり新型コロナウイルスの影響の影響が大きいよ!割安と感じるタイミングが鍵!

株レンジャー
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  • ANAホールディングス(9202)の株価予想
  • ANAホールディングス(9202)株の買い時
  • ANAホールディングス(9202)の株の分析
  • 同業種の銘柄と比較
  • まわりの予想
  • 総合評価
  • 買いを検討してる人へアドバイス

をまとめました。

 

ANAホールディングス(9202)の株価予想!今後どうなるか?

コロナ禍から、いかに回復するかが最重要ファクター

マスク

中国武漢から広まったとされる、新型コロナウイルス感染拡大が、いまだ収まらない状況です。

ANAを含む航空関連企業は、旅行産業、飲食産業とともに、最も影響を受けた産業のひとつと言っても過言ではありません。

国内だけでなく、海外の移動の制限がされたため、旅客数・売上高が大幅に減少しました。

2020年5月の緊急事態宣言解除以降は、旅客需要が少しずつ回復に向かったものの、12月に再度緊急事態宣言が発令されました。

依然として、新型コロナウイルス感染者数の動向に影響を受けやすい状況が続くでしょう。

 

  • 新型コロナウイルスの影響

2021年1月20日現在、日本では、全ての国・地域の外国人入国が停止されており、また外出自粛要請が続いていることもあるなか、国内だけにとどまらず、世界的に人の移動が大きく制限されています。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、旅客数が前年比約80%減となっているため、売上高前年比約75%減と、非常に大きな打撃を受けています。

また、現行のウイルスのタイプだけでなく、変異種も見つかっており、コロナ禍の収束も予断が許さない状況が続くでしょう。

 

  • 財務状況の改善を図る

人件費等の固定費の大幅削減といったコスト削減をおこなったことに加えて、「2021年度 ANA国内線航空輸送事業計画」を発表しました。

収益性の高い路線の増便、季節による需要変動が大きい路線は期間運行化する等、航空ネットワークの再編を示し、柔軟で機動的な対応の姿勢を示しています。

>>>2021 年度 ANA国内線航空輸送事業計画に関するお知らせ

 

  • 公募増資による資金調達

設備投資と有利子負債の返済を主な目的として、2020年12月から2021年1月にかけて、公募増資による資金調達が実施されました。

2021年3月期の連結最終損益が、過去最大の5100億円の見込みのため、自己資本比率の確保だけでなく、厳しい財務状況を示す行動とも見えます。

 

ANAホールディングス(9202)株の買い時

国際的な情勢と、国内の政治判断の影響を読むのは難しい

コロナワクチン

アメリカ製薬会社モデルナ社、ファイザー社、イギリス製薬会社アストラゼネカ社各社が新型コロナウイルス対向ワクチンを開発し、ワクチンの接種は、アメリカやイギリスなどではすでに始まっています。

日本国内では、ファイザー社が承認申請を行っていて、審査を大幅に簡略化する「特例承認」が適用され、接種は2021年2月下旬と予定されています。

 

  • ワクチンの普及と効果はまだ不透明

日本国内では、医療従事者を筆頭に、その後高齢者といったかたちで、2021年2月から接種が開始される予定です。

いかにスピード感をもってワクチン接種がされ、かつ普及し、その効果が見られるかは、まだまだ不透明な状態だと言えます。

 

  • コロナからの復興政策

ワクチンが普及し、新型コロナウイルスの感染拡大も収束に向かうと、その後の復興を援助する政策にも注目されます。

2020年夏に実施された「Go Toキャンペーン」のように、旅行支援政策が再度実施されるか、またその他の政策が実施されるでしょう。

少なくとも、航空需要を刺激する、何らかの経済的政策がおこなわれるか、またその効果は、株価への影響度が大きいと思います。

 

  • 夏季東京オリンピックの開催判断

2020年に開催予定だった、夏季東京オリンピックは、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、2021年に開催延期となりました。

ただ、感染拡大の収束がみられないなか、菅総理は、2021年のオリンピック開催に前向きな姿勢を見せています。

オリンピックが開催されるとなると、選手、競技関係者に制限される可能性はあるかもしれませんが、ある程度入国者制限も緩和され、空の移動も活発になると予想されます。

 

ANAホールディングス(9202)の株の分析【2020年1月20日現在】

配当金はいくら?配当利回り

2021年3月期も無配の見込み

配当金

株価指標 目安
配当金 0円(2020年3月期無配)
配当利回り 0%(無配のため)
配当性向 算定不可

>>>2020年3月期有価証券報告書

 

  • 昨年に引き続き無配の見込み

2010年3月期から2019年3月期まで、増配傾向が続いており、2019年3月期には1株当たり75円の配当をおこなっていました。

2020年3月期に、新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴い、手元資金確保を優先させ、2010年3月期振りの無配となりました。

コロナ収束の見込みは、国内だけでなく、世界的にもまだ見通しがついていません。そのため、2021年3月期の配当は未定となっていますが、引き続き無配が続くと思われます。

 

  • 減配前の配当利回りは?

減配発表前の配当利回りを計算すると、2387円(2020年4月28日時点終値)、1株あたり年間配当額75円のため、配当利回りは、3.14%(=75円÷2387円×100)となっています。

2020年3月の東証1部の平均利回りは2.41%(配当実施企業のみ)なので、市場平均よりも、配当利回りは高い値を記録していました。

 

株主優待の内容

株主優待のメインは優待割引搭乗券

保有株数 株式優待の内容(株主優待番号案内書枚数)
100株から199株 1枚
200株から299株 2枚
300株から399株 3枚
400株から999株 4枚+400株超過分 200株ごとに1枚
1,000株から99,999株 7枚+1,000株超過分 400株ごとに1枚
100,000株以上 254枚+100,000株超過分 800株ごとに1枚

>>>株主優待のご案内

 

  • 片道分およそ半額で搭乗できる!

国内営業路線の使用に限られますが、片道1区間を優待割引運賃で利用できる優待券(優待番号)がもらえます。

 

  • ANAグループの各社優待もセット

単元株以上の保有株主全員には、航空券割引の他に、ANAグループ各社提携ホテルが10%以上割引となる優待があります。

また、旅行ツアー商品の優待等、様々な優待を受けることができます。

 

  • 株主優待の条件は、100株以上!

株主優待を受けられるのは、最低限100株以上となっており、新型コロナ拡大後株価が下落している現在でさえ、約20万円強(株価2232円(2021年1月4日の終値)の場合)が必要となります。

 

株価指標

コロナ影響前と比較すると、割安と見える

株価指数 目安
PER 27.1倍(2021年1月20日現在)
PBR 0.71倍(2021年1月20日現在)
ROE 2.6%(2021年1月20日現在)
自己資本比率 44.1%(2021年1月20日現在)

  >>>財政状況

 

  • PER・PBRは平均的な値、新型コロナの影響も

PER、PBRともに、市場平均と比較すると割安感が出ています。

業種別平均(航空産業)は、

  • PERが約10%
  • PBRが約1.3倍

のため、業種別平均と比較すると、およそ平均的と言えます。

また、新型コロナウイルスの影響もあり、2021年3月期は、大幅な赤字が予想されるます。特に、PERで割安割高を判断するのは早計な判断と言えるかもしれません。

 

  • 自己資本利益率は40%オーバー

2021年3月期第2四半期決算で、資金調達の実施により、前期末に比べ、有利子負債が約4700億円増加しました。

ただ、自己資本比率は40%を超えており、財務的には健全な財務体質と言えます。

2021年3月期第2四半期決算で、最終損益が純損失だった影響もあり、利益剰余金を前期末比約1800億円減らしているので、財務状況は引き続き注視していくべきです。

 

同業種の銘柄と比較

  • 日本航空(9201)より危険度は高め

飛行機

ANAのほうが、株価は少し高いが、3年期間で見ても、移動平均線はANAとほぼ同じラインをたどっています。

日本航空(9201)は、ANAに先立って、2020年11月に公募増資を実施しました。

有利子負債額は、ANAの半分以上の約5000億円(2020年9月期)、2021年3月期の最終赤字の見込みが約2700億円と、両値ANAのおよそ半分の値となっているため、増資の緊迫感でいえば、ANAの方が状況はよろしくないと感じます。

 

ANAホールディングス(9202)株のまわりの予想

買い予想の声

業績回復を期待しての先行買い

株価

今を底値と考えている意見で、コロナ収束後に、株価回復を睨んでいます。

Go Toトラベルが再び実施され、旅客数が戻り、売上が回復すると、株価もそれに伴って上昇すると考えられているでしょう。

 

関連する旅行業界も合わせて検討している層もいる

航空関連株だけでなく、旅行会社の売上も前期比90%減と苦しい状況になっている会社も多いです。

Go Toキャンペーンが再開されると、旅行関連株も株価が上昇すると予想されます。合わせて、長期的に検討されていますね。

 

売り予想の声

現状を底値と考えているひとが多いが、さすがに不安の声も…

コロナ影響前と比較すると、株価は半値近くまで下落しています。

不安にかられ、長期保有に耐えられず、損切りを考えている意見もあります。

 

売りタイミングを、イベントと絡めて長期的に検討している

今後、オリンピックや、万博など、国際的なイベントが予定されています。

売りタイミングの予想として、コロナ関係だけではなく、次の2025年日本万博開催時といった、長期的視点で考えているようです。

 

ANAホールディングス(9202)の総合評価

新型コロナウイルスの影響で業績は壊滅的、いまの株価を底値と捉えるかどうか!

株価2021

  通信簿
業績 ×
配当金目当て
優待目当て
割安
同業種との比較
将来性

 

業績について

新型コロナウイルスによる業績影響は、相対的に大きい

新型コロナウイルス感染症の影響による、旅客需要の減少により、2021年3月期の最終損益は、約5100億円の赤字と見込まれています。

ワクチンの国内での接種開始が、2021年2月から順次始まる予定ですが、ウイルスの変異種も発見されており、まだ予断は許されない状態であることには変わりません。

国内・国外旅客需要の回復には、

  • コロナウイルスの影響
  • オリンピック開催有無
  • 原油に依存する航空機燃料の原油価格リスク
  • 国際情勢の変化

と、様々なリスクファクターを抱えているため、引き続き、業績見通しが悪い状態が続きそうです。

 

配当金目当ての投資

2021直近は無配の見込み

2020年3月期に続き、2021年3月も無配と予想されます。

可能な限り、早期に復配できるようにする、と決算書でも謳われていますが、コロナ影響のない2019年3月期の配当利回りも1.85%と、東証一部平均約2.4%と比較しても、低い水準です。

配当目的ではなく、キャピタルゲインを目指した投資対象と思われます。

 

優待目当ての投資

株価下落により、株主優待の条件が下がった

コロナウイルス影響波及前と比較すると、およそ半値近くまで株価が下落している状況を見ると、飛行機移動が多いかたは、優待目的での買いも、選択肢としてあげられます。

 

割安かどうか

割安感は見られる

2020年3月期は、PBR1.27%だったため、コロナウイルス影響前と比較すると、割安と捉えることができる。

ただ、2020年12月から2021年1月にかけて実施した公募増資により、発行済株式がおよそ30%増加する予定です。

コロナ影響前の株価まで回復するかどうかは、しっかりと見極める必要があると思います。

 

同業種との比較

JALと比較すると、良いとは言えない状況

日本航空(9201)も同様に2020年11月に公募増資をおこないました。

規模の影響はあるとしても、JALと比較すると、最終赤字額、有利子負債額を大きく上回っています。よって、銀行からの借り入れや社債の発行といった、さらなる資金調達のハードルは高いです。

コスト削減だけでなく、航空機利用の効率化といった経営努力の課題感はあり、来期いかに通期黒字化を達成するかの、次の一手の動向は注視するべきです。

 

将来性はあるか

  • コロナはひとつの契機とも言える

国を支える航空インフラ企業であるため、2010年のJALのように、経営再建が必要であれば、当時と同様に国の旗振りのもと経営改善が実施されると思われる。

2020年10月には、コスト削減とともに以下を発表しました。

  • 大型機などを中心に30機を売却
  • 400人以上の社員を他社に出向
  • 新LCCで東南アジアなど中距離国際線に参入

世の中的には、決して良くはない出来事であることは言うまでもありません。

しかし、新型コロナウイルスの感染が拡大した影響が出てはじめて、ここまで「コスト改革」に大なたを振れた、新たなアイディアを出せた、とも考えられます。長期的にみてコロナから回復した後も、企業の成長エンジンになる可能性、とも考えることができます。

 

買いを検討してる人へアドバイス

公募増資による株式の希薄化の影響を見定めるべき

株買い

当期純利益が、新型コロナウイルス影響前の値に戻ると仮定すると、将来的にEPSの値が約217円となります。
※1107億円(19年3月期当期純利益)÷510百万株(20年9月30日時点発行可能株式総数)×100

PERが約11倍に戻るとすると、将来株価は2387円(=217×11)付近になると計算されるので、コロナ影響を受ける前の株価まで回復すると考えると難しいと考えられます。

ただ、現状、その値以下(2232円。2021年1月20日現在終値)となっているため、仮定の上では、少なくともキャピタルゲインは得られると考えられます。

 

まとめ

  • ANAホールディングス(9202)の株価予想は、株価が上昇するまでは、もう少し時間がかかりそう
  • ANAホールディングス(9202)の買い時は、現状を割安と感じられるなら買い
  • 過去最低クラスの業績だが、航空インフラ企業として価値がなくなる銘柄ではない
  • 同業他社も同じように株価は下落しているが、財務体質、財務マネジメントは異なる点に注意
  • 個人投資家の予想は、いまを割安と感じている意見が多いか
  • よくも悪くも、新型コロナウイルスの影響は相対的に大きいので、そこからの復興が鍵
  • 増資による希薄化の影響もあるが、将来的なイベントを加味すると、ANAホールディングス(9202)株は、今のうちに買いか