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JT(2914)の株価は今後どうなるか
下落に歯止めがかかると予想!たばこ事業の体制見直しで利益を伸ばせるかが成長のカギだよ。
株レンジャー
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  • JT(2914)の株価予想
  • JT(2914)株の買い時
  • JT(2914)の株の分析
  • 同業種の銘柄と比較
  • まわりの予想
  • 総合評価
  • 買いを検討してる人へアドバイス

をまとめました。

 

 

JT(2914)の株価予想!今後どうなるか?

長期的には2016年から右肩下がり

2016年から右肩下がり

JT(2914)は、売上の90%近くを国内・海外へのたばこ販売が占めています。他にも、医薬品や加工食品も取り扱っています。

>>>業績・財務ハイライト-売上収益

2016年にナチュラルアメリカンスピリット(米国外たばこ事業)を買収し、株価は最高値となりました。買収時4,850円だった株価は緩やかに下落を続け、2021年4月現在は2,000円前後と半値以下となっています。

 

今後の株価は小幅に上昇傾向か

2020年4月ごろのコロナショック以降の最安値は、2020年8月の1,796円です。2021年4月現在まで、1,800円~2,200円の間を行ったり来たりしています。

JT(2914)は2021年2月9日に、たばこ事業運営体制の強化を発表しました。体制強化により収益力が強化されれば、株価の上昇が期待できるでしょう。

 

JT(2914)株の買い時

~2,000円までは買い時

2,000円までは買い時

2021年4月現在、過去1年間の株価は、1,800円~2,200円の間を行ったり来たりしています。

今後の株価は、コロナショックの最安値である1,796円以下にはなりにくいと考えられます。2,000円を切る株価で買うことができれば、十分に利益を得ることができると言えるのではないでしょうか。

 

JT(2914)の株の分析【2021年2月9日現在】

配当金はいくら?配当利回り

配当は株主還元方針の変更により減配だが、高い配当利回りは継続

高い配当利回りは継続

株価指標 目安
配当金 130円
配当利回り 6.04%
配当性向 96.1%

2005年以降、増配を継続しておりましたが、2020年12月期の154円をピークに増配が止まりました。2021年12月期は減配の130円と予想されており、初めての減配です。

>>>配当金のお知らせ- 1株当たり配当金・配当性向の推移

しかしながら、もともと高配当株として注目を浴びていたJT(2914)の評価は、現状では変わりません。減配を行っても配当利回りは5%を上回っており、高配当株であるとの認識を変える必要はないでしょう。

減配の要因は、2021年の業績予想悪化と株主還元方針の変更です。事業投資最優先・利益成長と株式還元のバランスの観点から、方針が変更になりました。特に、配当性向75%を目安とすることが掲げてられています。今後も減配が続く可能性があるでしょう。

>>>2020年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)

また、2020年度以降、工場の閉鎖やグループ会社の清算などで、リストラを行っています。配当をこれまでと同じ金額出すわけにはいかないので減額した、と判断もできるでしょう。その場合は、リストラの効果が出てくれば、配当が元の水準に戻ると予想することもできます。

 

株主優待の内容

100株以上1年以上保有でグループ会社等の商品がもらえる

保有株数 株式優待の内容
100株以上 200株未満 2,500円相当
200株以上 1,000株未満 4,500円相当
1,000株以上 2,000株未満 7,000円相当
2,000株以上 13,500円相当

グループ会社の、テーブルマークが扱う食品などの商品が手に入るようです。ご飯・麺類・ジャムなどから選択することが可能なようです。電子たばこの新商品が配布された実績もあります。

また、優待商品に代えて、社会貢献活動団体への寄付を選ぶことも可能です。CSRに注力している会社ならではの選択肢ですね。

>>>株主優待の内容

 

株価指標

やや割高だが財務状況は悪くない

株価指数 目安
PER 15.3倍
PBR 1.46倍
ROE 11.97%
自己資本比率 46.9%
  • PBRは割高

PBRは1倍を上回っており割高です。たばこ市場は縮小しているように見えても、独占的な状態が保たれています。企業の成長への期待が反映されていると考えられます。

 

  • 自己資本比率は業界内で標準的

JT(2914)が分類される食料品製造業の自己資本比率の平均は、49.2%です。比較すると、比率は標準的で特に問題はありません

>>>経済産業省企業活動基本調査 / 統計表一覧-速報(概況) 2020年企業活動基本調査速報-2019年度実績-付表6

 

同業種の銘柄と比較

世界と比べると加熱式たばこはまだシェアが低い

加熱式たばこの日本シェアは、推計で以下の通りです。

企業名 JT(2914) ブリティッシュ・アメリカン・タバコ フィリップ・モリス・インターナショナル
銘柄 プルーム グロー アイコス
シェア 1割 2割 7割

紙巻きたばこではJT(2914)が国内トップシェアを占めておりますが、加熱式たばこではまだまだの数字です。後発ではありますが、今後も投資を続けることでシェアの拡大を目指しています。

 

食品業界上位3社で比較すると、株価指標が良い

食品業界上位3社で比較

JT(2914)は国内唯一のたばこメーカーであり、国内では競合がいません。東証業種名は食料品に分類されていますので、同じ食料品と分類されている企業と比較します。

食品業界シェアを調べると、1位がJT(2914)、2位がアサヒグループHD(2502)、3位がキリンHDです。

企業名 JT(2914) アサヒグループHD(2502) キリンHD(2503)
売上高(億円) 20,925 20,277 18,495
PBR 1.46倍 1.53倍 2.08倍
ROE 11.97% 6.72% 8.24%
自己資本比率 46.9% 34.2% 34.1%

単独で見るとPBRは割高に見えました。しかし、売上高が上位の同業他社と比べると、PBRは割安だと判断できます。たばこという縮小市場に見える商品を取り扱っていることから、成長が不安視されていると言えるでしょう。

また、ROEや自己資本比率は圧倒的に高い水準です。これから投資をする人にとっては良い指標だと考えられます。

ただし、それぞれの売上は食品以外も含まれています。国内企業での厳密な比較は難しいでしょう。

 

 

JT(2914)株のまわりの予想

買い予想の声

  • 減配しても高配当の安定銘柄と判断

安定銘柄と判断

 

配当利回りが下がったことを把握しながらも、高配当との評価は変わらないようです。安定銘柄と判断して買い増しを行うようです。

 

売り予想の声

  • 減配を不安視して売却

 

減配が不安材料と考え、売却したようです。今後の株価に影響することが予想されるので、利益が出ているうちに売却する判断も必要でしょう。

 

JT(2914)の総合評価

たばこ事業の体制見直し結果が成長のカギ

体制見直し

  通信簿
業績
配当金目当て
優待目当て
割安
同業種との比較
将来性

業績について

  • 海外たばこ事業が好調のため営業利益はプラス

国内のたばこ市場は縮小気味であるものの、海外市場は成長し続けており、コロナ禍においても2019年度比ではプラスとなりました。

 

配当金目当ての投資

  • 配当目当ての投資におすすめ

21年は減配予想となりましたが、配当利回りは引き続き5%を超えており、高配当株と判断できます。

ただし株主還元方針の変更により、配当はもっと減額される可能性もあります。今後の動向に注意が必要です。

 

優待目当ての投資

  • どんな商品が手に入るかはわからないが魅力的な優待

優待は食品が主ですが、年によってはたばこのサンプルが届いたこともあるようです。たばこを吸わない人にとっては、あまり嬉しくない内容ですね。しかし、株数に対する優待の金額を考えれば、十分魅力的と言えるでしょう。

 

割安かどうか

  • PBRは割高だが、食品業界内では割安

PBRが1倍を超えており、単独では割高と判断できるでしょう。一方、食品業界の中では比較的割安な数値です。

 

同業種との比較

  • 食品業界としての株価指標は比較的好条件

分類されている業界内では、指標は良い数値と判断できるでしょう。ただし、9割をたばこの売り上げが占めているような企業はほかにはなく、国内に競合と呼べる企業がはっきりとあるわけではありません。純粋に同業種との比較はできないでしょう。

 

将来性はあるか

  • 縮小市場に見えるが、海外たばこ市場は成長中

国内たばこ市場においては、電子たばこや加熱式たばこへの投資を行うことで、シェアの拡大に努めています。しかし国内たばこ市場は、増税や改正健康増進法により縮小しているように思われます。

一方の海外たばこ市場は、ネガティブな為替の影響はあるものの、単価上昇効果やイギリスをはじめとする高単価市場での販売実績が功を奏しており成長しています。

>>>海外たばこ事業 2020年実績及び2021年ガイダンス

今後も、喫煙者の多い海外市場の成長が見込まれます。

 

  • 体制見直しの結果が経営を左右

2021年2月9日にJR(2914)は、たばこ事業における体制の見直しを発表しました。以下に主要な内容を抜粋しました。

  • リソースの活用や意思決定スピード向上を目的とした、海外・国内たばこ事業の一本化
  • 顧客満足向上に向けた体制構築を目的とした、日本マーケット本社・支社機能・体制刷新
  • 国内事業量に応じた体制の見直しを目的とした、工場廃止・原料調達本部集約
  • 日本マーケットの競争力強化及び要員的成果を目的とした、1,000人規模の希望退職募集

体制見直しは2022年4月までを目標に随時実施されていきます。退職金などの一時費用として、370億円がかかることを見込んでいます。しかし、体制見直しが効果を発揮すれば、利益の獲得につながっていくでしょう。

>>>2020年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)

 

買いを検討してる人へアドバイス

  • 高配当銘柄はハイリスクのため、長期的には今後の動向に注意

高配当銘柄はハイリスク

JT(2914)は、高配当で人気の高い銘柄です。配当が今後も下がっていくようであれば、先行きを不安視した投資家が、多数の売りを行い株価が下がってしまう可能性があります。

一方で、収益率向上のための事業体制見直しを発表するなど、好材料につながる要素はあります。株価が上昇に向かうか下落に向かうかは、動向を注視してしっかりと予測を立てる必要がありそうです。

 

まとめ

  • JT(2914)の株価予想は今後下落に歯止めがかかるか
  • 買い時は、コロナショック時よりも下がることはないとみて~2,000円
  • 減配予想だが、依然として高配当利回り
  • 食品業界ではシェアナンバーワン
  • 投資家は減配を不安視する声も
  • たばこ事業の体制見直しが功を奏するかが成長のカギ
  • 高配当銘柄のデメリットを考慮して、動向に注目すべし